フリーエンジニアの平均年収は?正社員との差は?年収アップの方法は?

フリーとして独立して最も気になるのが年収ではないでしょうか。正社員の場合は、会社の評価制度で年収が決まり、人事制度によってキャリアプランを描けます。しかし、フリーエンジニアになるとそれらの制度はありませんので、自分のスキルと案件単価により年収が決まります。
フリーエンジニアの方が稼げるともいわれますが、実際にはどうでしょうか?
フリーエンジニアの平均年収や年収アップの方法、さらに正社員との違いをご紹介します。

フリーエンジニアの平均年収

フリーエンジニアの平均年収は8,190,000円です。
実態は、職種や立場により大きく差があります。
エミリーエンジニアに掲載されている案件の平均的な単価を12か月分とした場合の平均年収はこちらです(税抜き)。(2018年9月現在)

  • エンジニア・プログラマ:8,190,000円(月単価682,500円)
  • プロジェクトマネージャー・PMO:9,115,200円(月単価759,600円)
  • データサイエンティスト:9,450,000円(月単価787,500円)

あくまで平均ですので、月に80万円や100万円以上の案件などもあるので1,000万円を超えているフリーエンジニアの方々もいらっしゃいます。
エンジニアの中で高単価となっているのは、高いスキルレベルやメンバーのマネジメントを要求される案件や、スマホアプリの開発AI系の案件などが多い傾向にあります。
開発言語別で見ますと、PythonSwiftなどは単価が高い傾向にあり、高年収を狙いやすい分野です。

フリーエンジニアの年収アップの方法

フリーエンジニアが年収をアップさせるための方法は主に4つです。000万円を超えているフリーエンジニアの方々もいらっしゃいます。

一つの分野でスキル/経験を積む

1つ目の年収アップの方法は、自分のスキルを活かして経験を積んでいくことです。
1つの分野で経験を積んでいくことで、経験が浅い方よりも評価が高くなり、高単価を提示されやすい傾向にあります。
フリーエンジニアの場合は、1つの案件が終了すると次の案件を探すことになります。
その際に、特定のスキルの経験が多ければ、単価の交渉もしやすく、納得感もあります。

最新のフレームワークや最新バージョンに慣れ親しんでおく

開発におけるフレームワークや使用言語の最新バージョンを知っているだけでなく、使えるようになっておくと単価をあげやすいです。
実務経験があるのがベストですが、使う機会が無い場合でも、独学で経験しておくことが重要となります。最新の情報をしっかりとキャッチアップし、自発的に学んでいることは評価につながることが多いです。
また、最新版の技術は経験者も少なく、重宝されます。

プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど上流工程を目指す

開発エンジニアから、プロジェクトマネージャー職ITコンサルタント職に転向するキャリアも、年収をあげていくために有効な選択肢です。
プロジェクトマネージャーもITコンサルタントも、エンジニアの開発スキルなしでは成り立ちません
開発スキルをベースに、設計や上流工程、プロジェクト管理ができる人材は、単価も高い傾向にあります。
アジャイル開発では、この境界があいまいな場合も多いですが、ウォーターフォールの開発では、特にこの傾向が強いです。

需要の高い言語を学ぶ

PythonSwiftなど、一部の言語では、需要に対して人材の供給が全く追い付かず、常に開発者が不足している状況です。
これらの言語は、新しい言語のためもともと経験者が少ない分野です。実務経験がない場合でも、独学で学んでおくことでプラスの評価を受けることもあります、
いま得意な言語と合わせ、それらでも実務経験が得られるような案件に入りこめれば、次のキャリアにもつながります。

正社員との比較

フリーエンジニアの年収は、正社員と比較して高いと言われます。
実際に、冒頭で紹介したフリーエンジニアの819万円という平均年収を見ると、正社員の給与水準よりも高い場合が多いのではないでしょうか。
では、フリーエンジニアの方が稼げているのかというと、一概にはそう言い切れません
フリーエンジニアの場合は、税金や社会保険、交通費、必要経費など全て自分で支払わなければなりません。
フリーエンジニアの場合と正社員の場合の手取り換算を見てみましょう。

正社員の平均年収

平成28年の経済産業省の調査によると、IT人材の年代別平均年収は下記の通りです。

IT人材年代別平均年収

  • 20代:413万円
  • 30代:526万円
  • 40代:646万円
  • 50代:754万円 ※1

年齢が上がるにつれ、着実に年収が上がっています。
正社員の場合、勤続年数が長いほど職位が上がる傾向にあるため、年齢と年収は比例して上がっていきます。

職種別ではどうでしょうか。
同じく経済産業省の調査によると、職種別の平均年収は下記のとおりです。

ITエンジニア職種別平均年収

  • プロジェクトマネージャー:891.5万円
  • 高度SE・ITエンジニア(基盤設計・ITアーキテクト):778.2万円
  • SE・プログラマ(顧客向けシステム開発・実装):593.7万円
  • SE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装):568.5万円
  • SE・プログラマ(組み込みソフトウェアの開発・実装):603.9万円
  • IT技術スペシャリスト(DB・NW・セキュリティ関連):758.2万円
  • IT運用・管理(顧客向け情報システム):608.6万円
  • IT保守(顧客向け情報システム):592.2万円
  • IT関連企業のエンジニア・プログラマ:592.2万円  ※2

フリーエンジニアでも単価の高いプロジェクトマネージャーは正社員でも高年収となっています。
技術職では、基盤設計などの上流工程と言われる職種やDBやNW、セキュリティなどの分野のスペシャリストの年収が高い傾向にあります。

とはいえ、年齢別・職種別どちらをみても、フリーエンジニアの報酬の方が高い傾向にあります。フリーエンジニアの方が正社員より稼げると言えるのでしょうか?

※1 IT人材に関する各国比較調査/経済産業省/平成28年6月10日
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_global.pdf
※2 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果/経済産業省/平成29年8月21日
http://www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf

フリーエンジニアの方が稼げている?フリーエンジニアが支払うべき費用

全体的にフリーエンジニアの方が正社員よりも年収は高い傾向にあります。
手取りに換算しても高いのでしょうか?
正社員とフリーランスとは税金の面や福利厚生など、違いがいくつかあり単純に比較できない面があります。

正社員の場合は、毎月給料から税金や年金、保険料が差し引かれて支給されます。
フリーエンジニアの場合は、毎月いただく報酬から、後日自分で税金や年金などを自分で支払わなければなりません。前章でご紹介した年収は、支給額という点では正社員もフリーエンジニアも同じなのですが、そこから引かれる金額に差があるのです。
具体的な違いはこちらです。

1.税金
(所得税・住民税・国民年金保険料・国民健康保険料・消費税)

所得税・住民税

正社員でもフリーエンジニアでも、所得税や住民税はかかります。
しかし所得控除額が異なるため、同じ年収だったとしても支払う所得税額には違いがあります。
正社員の場合は、給与所得控除というものが適用され、年収600万円ならばその20%+540,000円の1,740,000円が控除されます。
しかしフリーランスの場合の所得控除は、最大650,000円(青色申告の場合)です。
同じ年収の場合、経費計上などを全くしなければ、フリーランスの方が課税対象額が高くなることになります。

国民年金保険料・国民健康保険料

フリーエンジニアになると、年金や保険は自分で支払う必要があります。
正社員の場合は、給与から厚生年金と健康保険料は天引きされますが、フリーエンジニアは自分で支払うことになります。
国民年金については、金額をみると会社員時代の厚生年金よりも低く、一律16,340円/月です(平成30年度)。しかし、将来の年金支給額も厚生年金受給者より低くなりますので注意が必要です。
国民健康保険料は、自治体によりその金額が異なりますが、どの自治体も高くおよそ年収の10%前後となります。扶養家族の人数によっても異なります。

正社員の場合は、加入する健康保険組合により料率は異なりますが、月収50万円の場合の個人負担は、およそ5~6%程度のところが多いようです。会社が半分負担してくれているため、国民健康保険の半分程度となっています。
正社員を退職してフリーランスになる場合には、2年間は正社員の時の健康保険を任意継続するという選択肢もありますが、この場合は会社負担がありませんのでご注意ください

消費税

消費税は、年収が10,000,000円を超えた場合に、設立2期後からかかります。
個人事業主の場合は、1月~12月が事業年度(1期)となりますので、開業した年度とその翌年度ということになります。
開業から2年度の間は年収に関わらず免税、それ以降は年収10,000,000円を超えなければ免税となります。
実際の消費税の納税は、年収10,000,000円を超えた年の2年後となるためです。
2018年度の売り上げが10,000,000円を超えた場合、消費税の納税は2020年に課税対象となります。

年収10,000,000円、経費が年1,000,000円の場合、消費税は9,000,000円×8%=720,000円です。
年収9,800,000円、経費が年1,000,000円の場合、消費税は0円。
その他の税を考慮せず、消費税だけを考えると、年収が200,000円少ないだけで、720,000円の納税義務が免除されるのです。
フリーエンジニアは、人により年収10,000,000円を超える場合もあります。年収がアップしたら手取りが減ったということにならないように、消費税と年収のバランスを考えましょう。
たまたま今年度は10,000,000円を超えてしまったとしても、次年度に10,000,000円を下まわれば、また免税となります。

このほかに、個人事業税というものがあります。
個人事業税は、個人事業主にかけられる税金で、決められた業種にかかり、業種ごとに3%~5%と税率が異なります。
対象は個人事業主ですが、事務所や事業所を設けて決められた事業を行っている個人とされており、常駐型の準委任契約のフリーエンジニアの場合は対象外となります。
常駐しているかどうかの判断は、自治体から届く「個人事業に関する回答書」への回答で確認されています。
在宅で行う請負業やデザイン業は課税対象となりますので、ご注意ください。

2.事業に関する経費
(交通費・その他)

正社員の場合は、交通費は会社支給ですが、フリーエンジニアは一般的に自分持ちです。
案件によっては別途支給の場合もありますが、多くの場合は報酬に含まれており、遠方の場合は交通費がかさみます。
他にも、外での打ち合わせに使ったタクシー代や飲食費や接待交際費なども、基本的には自分で支払うことになります。
こちらは、確定申告時に経費として計上することができるので、節税になります。
事業に使用した経費は、必ず領収書を保管しておきましょう。

3.経費にできないコストの違い
(人間ドッグなどの福利厚生費)

正社員とフリーエンジニアの違いの特徴的なものに福利厚生があります。
正社員には義務付けられていた健康診断をはじめ、慶弔見舞金や住宅補助、食費補助のようなものも福利厚生に含まれます。
正社員の場合は会社の制度として整備されていますが、フリーエンジニアには福利厚生はありません。さらに、健康診断の費用は、経費にも計上できません。
このように、フリーエンジニアになると社員の時には発生しなかった費用の負担が必要になります。この負担を差し引いた金額が手取りとなるため、年収がフリーエンジニアになり上がったとしても、手取り額は下がっている可能性もあるのです。

フリーエンジニアと正社員の手取り比較

それでは仮に年収600万円の会社員(上述のSE・プログラマレベル)と年収780万円のフリーランスの場合(冒頭のフリーエンジニアの平均レベル)で、正社員とフリーエンジニアの手取りを比較してみましょう。

手取り約4,500,000円(月375,000円)を得るためには

会社員の場合

手取り額4,591,300円(月382,608円)
内訳
支給年収額6,000,000円(月500,000円)
社会保険料– 893,100円
所得税・住民税– 515,600円

※40歳・東京都在住の場合(平成30年)

フリーエンジニアの場合

手取り額4,556,080円(月379,673円)
内訳
年収7,800,000円(月650,000円)
社会保険料– 775,920円
所得税・住民税– 1,268,000円

※40歳・東京都在住 経費1,200,000円(月10万円)、青色申告の場合(平成30年)

実際には、扶養家族の人数やお住まいの地域、経費により変動しますが、会社員時代と同じ手取りを得るためには、およそ1.3倍以上を目安にしましょう(上記例ですと600万円の1.3倍が780万円)。

この数字は、額面だけを比較し100%稼働が前提となっています。
実際には、正社員の場合は有給休暇があったりしますが、フリーランスになるとそれらの制度はありません。これらを考慮すると、会社員時代の年収の1.5倍で同じだと言われることもあります。
ただし、フリーランスの場合は、経費計上や控除を活用することで大幅な節税が可能です。
小規模企業共済などによる控除を活用したり、事業に関する経費はもれなく計上するようにしましょう。

まとめ

フリーエンジニアの気になる年収についてご紹介いたしました。
正社員の人事制度や評価制度のようなものがないので、自分自身で報酬を見極め、年収アップの方法を実践していく必要があります。
フリーエンジニアの平均年収は正社員の年収よりも高めですが、手取り年収を考えると最低でも30%増しを目安に考えましょう。
現在の年収について、適正なのか?年収をあげていくにはどうしたらよいか?などの疑問があれば、エンジニア専門のエージェントに相談してみるのがおすすめです。
まずは、お気軽にお問合せ下さい。